「鉄道の日記念切符」で北日本一周 (part3)


3日目(10月19日)

1.ロングシートからの解放

 屈辱的な宿で一晩を過ごし、次の宿ではどうなのか、少しばかり気になっていたが、それも一ノ関駅についてから、変わった…。

なぜなら、やっと701系のロングシートから解放されたのであった。8時発の仙台行きの普通は、なんと、719系であった。ボックスシートであった。これには、少々うれしかった。すぐに乗り込むと何と高校生がたくさんいた。最悪だなぁ…と思っていたが、発車時間が近づくとだんだんと高校生たちが降りていくではないか…。寒いからここで会話をしていたのであろうか???数人の高校生だけが結局乗っただけだった。

定刻に発車。50%の乗車率であった。これは、701系に比べ、非常に快適であった。719系ではなく、701系が大量増備されたのかが不思議であった。しかし、この快適さも長くは続かなかった。小牛田辺りから、立客が増え、松島の辺りに来ると、もう満員になっていた。でも、海側の席を取って、大正解。松島から塩釜のあたりでは、海を見る事が出来た。


2.常磐線の旅

 9時38分仙台に到着した。やはり、大都会と言う感じだ。ここで、海側を走る常磐線に乗り換える。10時10分発の「スーパーひたち」が停まっていたので、シャッターを切った。まだ、あまり混んでいないようだった。

原ノ町行きの普通は特急が出た後に発車した。満員ではなかったが、かなりの乗車率であった。岩沼から東北本線と離れ、常磐線に踏み込んだ。相馬を過ぎる辺りから、海が見えてきた。やはり車窓に海が見える事は良い事だ。11時40分原ノ町に到着した。

ここで、駅弁を購入し、いわき行きの普通の中で、食べる事にした。12時12分に発車した。あまり混んでいなかったので、ワンボックス状態で、過ごせた。しかし、テストなのであろうか?高校生がたくさん乗り込んでいた。

この辺りからは、ずっと海が見えていた。天気も良かったので、快適に過ごせた。そして、特急や反対列車の退避での停車時間では、海の見える駅で、煙草をくゆらす姿の乗客を見ていると、このまま時が経つのも忘れてしまうのではないだろうか?と言うくらいの風景であった。

これが、海が見えるローカル線の良いところなのではないだろうか?海が見えなくなり、陸地ばかりで都会的な町並みが広がってくると、もう終点のいわき駅である。

ここまでの編成は、415系の4両編成であったが、ここからの土浦行きは、6両編成であった。福島県を超え、茨城県に入ると、乗客の量も増えてきた。日立の辺りまでは、海が見えていたのだが、そこからは、だんだんと離れていき、東海駅の辺りでは、もはや陸地のみとなってしまった。しかも、満員になってしまい、かなりの混雑であった。

水戸駅に着いた。大きな駅であり、かなりの乗客が降りていくが、乗り込んでくる客もこれまた多く、結局は、乗車率は、全然変わらずに満員であった。これでは、6両では足りないのではないか?と思うほどであった。

16時11分、土浦駅に到着した。すると、一気に都会が広がっていた。すごい変わり様であった。しかも、ここからの普通列車上野行きの編成が長かった。どこに乗ろうか考えた挙句、一番後ろに乗ることにした。

そして、武蔵野線に乗るために、どこの駅で乗り換えれば良いかを聞いてみることにした。でも、上野行きの車両の普通列車は15両。恐ろしく長い。ちょうど、一番後ろについたときは、発車時刻が迫っていた。すぐに扉の上にあった停車駅図を見ると、どうやら、武蔵野線の乗換駅の新松戸には、停まらない事が分かった。普通なのに、停車しないとはどういう事だ?と思いながら、車掌に相談すると、取手か、我孫子辺りで乗り換えではないか?と言われたが、違う乗客からは、柏で降りたほうが良いと言われたので、即決した。

柏から各駅停車に乗れと言う事であった。このときに、普通と各駅停車の違いが分かった。普通でも別線を使うから、このような名前がついたんだと思った。土浦からは、乗客は全くなかった。一番後ろだったせいか、乗ってくる客が全くなかった。このままの状態で柏に到着した。


3.首都圏突入

 いよいよ首都圏に入った。しかも、ラッシュ時に差し掛かった。柏駅は、千葉県である事も、このときに気づいた。ここから乗った各駅停車は、なんと地下鉄の車両だった。まさか地下鉄?と思ったが、すぐに納得。千代田線と判明し、乗り入れている事は分かっていたので、すぐに理解できたが、すごい混雑していた。数分で新松戸に到着した。確かに、各駅停車のほうだけにしか、ホームはなかった。

すぐに高架になっている武蔵野線のホームへ向かった。かなり混んでいるのだろうと思い、電車を待っていると、来た電車は意外にも空いていた。これは、ラッキーであった。しかも、貨物も通過していくのが、驚いたが、首都圏の迂回路線とすぐに思いついた。

武蔵野線は、西国分寺まで乗っていたが、そんなに混雑はしなかった。一番ラッシュでひどくなる時間帯なのに…。案外、逃げの路線であると、考えた。こっちを選んで大正解である。東京、新宿を通って行っていたら、大変な事になっていただろう。

川口、浦和、所沢と聞いた事のある駅をどんどん過ぎていった。しかし、高架を走っていたかと思ったら、トンネルの中に入っていた。この辺りは、山なのか?と思いつつ、新秋津、新小平のあたりでは、なぜか、高架ではなく、地下にあるという感じの駅だった。そして、西国分寺に到着。

ここで、中央線のホームへ行く事に…。すると、すぐに中央特快が通過していった。通過して行く車内を見ると、恐ろしいほどの乗車率。これでは、普通もすごく混んでいるのではないかと、不安だった。しかし、これとは逆に、普通のほうは、空いていた。立ち客が少しある程度であった。これで、立川駅まで向かい、最後の甲府行きに乗ることにした。


4.首都圏脱出

 立川駅もホームはたくさんあった。その中でも青梅特快は、すごく混んでいた。18時40分発の甲府行きの普通が入線してきた。ラッシュ時であるためにかなりの混雑を予想していたが、ちゃんとボックスシートに座る事が出来た。しかし、八王子、高尾と代表的な駅では、かなりの乗客があり、やはり混雑していた。

ここ高尾までは、都会的な町並みであったが、高尾を出ると、すぐにトンネルに突入。長いような短いようなと考えているうちに、トンネルを抜けた。すると、今までの町はどこへ行ったのであろうか?と考えるほど、暗い景色となり、静かな感じになった。

相模湖駅に到着。ここは、神奈川県である。でも、暗いので、相模湖なんてあるかどうか分からなかった。いつのまにか山梨県にはいり、乗客も乗ってくるのは、少なく、降りていくほうが多かった。

大月に着くと、まとまった下車客があった。しかし、ここまで東京から201系のロングシートだと、さすがにつらいだろうな…と思えてしまう。このあたりからは、夜のローカル線と言った雰囲気で、乗降客も少なかった。途中、スーパーあずさに抜かれたりしながら、ゆっくりと進んでいく。

勝沼ぶどう郷駅を過ぎ、しばらく進むと、甲府盆地が下に見えてきた。列車は、下り坂を走っているために、かなりの標高があるのだろう。町並みがきれいだった。でも、カメラには撮れないのがつらいところ…。山梨市、石和温泉と停車していき、20時43分甲府駅に到着した。

長く感じたのだが、疲れはあまりなかった。これは、首都圏を迂回したのが正解だったからであろう。宿は、一ノ関とは違い、とてもよかった。と、その前に、宿の場所がわからずに警察署に行くと、巡回中の札が・・・警察がいないせいで、30分も遅れてホテルに到着してしまい、駅前にあった高級ほうとう店に入る事が出来なかった。警察は本当に役に立たない。やはり、駅からホテルへ電話すればよかったのであった。






[次へ]

[戻る]

[旅日記トップへ]

[トップページ]